2008/09/04

GPLセミナー②【The Diet】

みなさん、こんにちは! 

8月の中旬に、GPLセミナーが開かれました。このセミナーの講演者は、ウィリアム・ショー博士の奥さんである、レティシア・ドミンゲス-ショー博士でした。




The Diet and the Correlation with Behavior and Learning(食事と行動、学習の関連性)

ドミンゲス博士は、メキシコ出身で、レット症候群の17歳の娘さん、ポリーナの母親です。レット症候群は、
生まれてから6ケ月は、正常に発育し、6~30ケ月頃に発症、目的を持った手の機能が退行し、歩行の失行、精神の発達が遅滞する病気で、年齢とともに、運動機能と精神がゆるやかに退行する病気といわれています。原因は、はっきりと解明されていません。この慢性疾患も、自閉症と似たような症状があります。

ドミンゲス博士は、ポリーナのような症状をもつ子供たちのため、またその保護者たちのために何かしてあげたいと発心し、メキシコで初の行動療法と食事療法を推進する保護者団体、リンカを設立しました。このリンカでは、自閉症をはじめ、発達障害をもつ子供のための支援とバイオロジカル療法に基づいた治療法、その情報を提供する組織で、会員数も数百人の及ぶ大きな団体になっています。

ポリーナを育てる傍ら、ドミンゲス博士はグレートプレインズ研究所で国際部のディレクターとしても活躍されています。

そのドミンゲス博士に、食事と行動、学習力の関連性について話していただきました。

問題となる行動は何なのかを説明した後、広汎性発達障害の原因といわれるものは・・・・

- 遺伝的要素
- 分娩前後の要素
- 神経バイオロジカル要素
- 環境要素
- 栄養欠陥
- 食物不耐性
- 鉛毒素
- 免疫不全
- カンジタ・寄生虫

などの要素を取り上げていました。ではこれらの問題に対してなぜ食事が重要かというと、

発達障害のある患者の多くが、牛乳や麦のたんぱく質を分解できず、これらオピエイトたんぱく質という行動に異常を起すものへと転化されるため」

ということが一つの考えとして紹介されていました。



甘いものであれば、子供はよけいそれを欲しがります。しかし、子供がよく口にするものにはミルクや小麦は多く使われています。結果として、これらの食べ物を多く摂取しているんですね。





食事療法を行うときのキーポイントは、いつでも「代用」品を利用することです。ミルクがだめならば、ポテトミルク、アーモンド、米ミルクなど、代用できる数も最近は増えています。

パンやクッキーでいえば、グルテンフリーのものも活用できますし、カルシウム不足の対応は、サプリメントで補うことが可能です。





 食事に利用できるものもちゃんと紹介されています。コーンやライス、カッサバ、豆。ミルクの代用としてポテトミルク、米ミルク、アーモンドミルクなど。ポテト、スイートポテトもOKです。その他にココアなど。できるだけ魚介類は避け、赤身の肉も食べることができます。いうまでもなく、やさいやくだもの。ナッツ。甘味料については、キシリトールやステビアを利用してください。






ドミンゲス博士が実際に娘さんとともに歩んできた食事療法を紹介されているので、実用的な情報がとても多い講演でした。

彼女の最初の「慢性疾患」に対する恐怖と将来の不安が全てを包み込み、どうすれば良いのか分からない中、光を求めてすすみ続けてきた結果、同じ思いをもったたくさんの保護者の方とつながることができ、ドミンゲス博士は誇りをもって、「 恐れるものはありません 」と語っていました。

ポリーナさんは、レット症候群ですが、5歳のときに医師が言ったこととは反対に、とても元気に活動するティーネイジャーです。



また一つ、障害をとおして成長していく子供たちの使命の大きさとそのこどもたちと保護者のサポートを実感できるセミナーとなりました。